令和3年12月に、待望の次男が産まれ、3児のパパになりました。出産を期に、半年間の育休を取得。半年間の経験から、男性が育休を取った際の、メリットデメリットをお伝えしていきます。
結論から言うと、人生最初で最後の育休生活。とても楽しい経験でした。育休取得を悩んでいる方がいたら、是非取得することをお勧めします。
男性の育休取得について
男性の育休取得率
現在では世間的にも男性も育休をとりましょう!という流れになっていますよね。でもまだまだ普及しているとは言えず、男性の育休取得率はせいぜい1割程度です。その1割も長期で取得する方はまだまだ少ないようです。

令和2年度厚生労働省 雇用均等基本調査より引用。最新の調査では男性の育児休業取得率は12.65%となっております。ここ5年ほどで男性の育休取得が大幅に上昇しているのがわかりますね。しかしまだまだ1割程度、取得率は少ないのが現状です。
なぜ男性の育休取得率は低いのか
育休について周りの賛同・協力が得られない
女性の場合実際に出産しなければならないので、体調面からも、産前産後は休まざるを得ないという面はあります。産休には確実に入るので上司に休みたいという報告をしない、産休を取らせないという選択肢はないですよね。
しかし男性の場合は夫がいなくても出産・育児は可能だという古い考えの方が居る為、上司からの嫌味や受け入れ拒否される場合もあるでしょう。大手の会社ならいざしらず、中小企業となると人員にも余裕がありません。そうなると一人育休にはいると仕事が回らなくなります。回るとしても周りの人への負担が大きくなると考えてしまいますよね。
誰でも自分の負担が多くなるのは嫌なもの。嫌味の一つ言いたくなる気持ちはわからなくもありません。
育児休暇中の収入が不安
収入の面でも、給付金だと最初の半年間でさえ総支給の67%程度まで下がります。育休取得後半年経過してしまうと50%まで減少します。今の世の中、現在の手取りでさえ生活は楽ではありません。子供が生まれお金を貯める必要があるのに、月々の手取りが減ることを考えれば、簡単には休めません。
ただでさえ、物価が上がり、インフレの波が押し寄せています。この状況で、手取りが下がると生活にも苦労しますよね。
育休中の給付金について、詳しく知りたい方は【男性が育休取得】実体験|パパが休みになると収入はどうなるの?を合わせてお読みください。
男性が長期で休むと出世に響く
少しずつ認識は改められているようですが、育休はまだまだ50代、60代の年齢の上司には受け入れてもらえないでしょう。自分の時間を犠牲にして働いてきた年代からすると、男の育休なんて!と思われる人も多いのではないでしょうか。
楽して稼ぐのは悪いことだという認識ですね。時代は流れているので少しずつ認識が変わるのを待つしかないのでしょうか。実際私も、自分の父親に嫌味を言われました。育児に関わらない時代の人間には理解できないようです。働くことこそが正義なのでしょう。
仕事時間の短い人間は、さぼっていると認識され、評価が上がらないようです。仕事は時間の長さで決まるものではありませんよね。
世の中の流れは育休取得に傾いている
現在の風潮として男性も育休をとろうという流れになりつつあるのは事実です。
育休取得率は上昇していますよね。悩んでいる間におなかの中の子供は成長し、生まれてきます。生まれてしまえば育休を取れる時間はどんどん過ぎていきます。子供の成長なんてあっという間です。少しでも悩むなら、わずかな期間でも育休を取得するべきだと思います。
上司の目が気になりますか?部下はどうでしょう。先輩が育休を取得していれば、後輩は続きやすいですよね。育休をとる同僚のせいで仕事が増えるという認識を変えましょう。
1人が育休をとり、仕事が回らなくなるのは同僚のせいではありません。会社のせいです。責める相手を間違わないようにしなければなりません。休んでいる間迷惑をかけると思うのであれば、復帰後それをリカバリーすれば良いのです。
少子化の時代、1人1人が育休を取る回数なんてわずかです。子供をないがしろにする会社は淘汰されていくでしょう。人が増えなければ、税収も増えません。そんな国に未来はありませんよね。
まずは第一歩。あなたが動けば、会社が変わるかもしれません。
育児休業取得率の公表の義務付け
2022年から育児・介護休業法が改正され、男性の育児休暇について段階的に変更があります。
その中でも2023年4月より常時雇用する労働者が1,000人を超える事業主に、年1回、育児休業等の取得割合もしくは育児休業等と育児目的休暇の取得割合を一般の方が閲覧できる方法(インターネットなど)で公表することが義務付けられます。
育休取得率を公表することで、その会社が育児に協力的かどうか判断できます。国が育児休暇を推奨しているので、会社を選ぶポイントにもなってきますよね。今悩んでいる方は取得しやすい状況になってきていますよ。
また2022年の4月から妊娠・出産について会社に報告した際、会社側は育休取得の意思を確認しなければなりません。会社側から育休を取得したいかどうかを聞いてくれるだけで、今までよりは言い出しやすいと思います。
男性の育児休暇はお得なのか
令和4年9月まで
令和4年現在、パパ休業で、男性は産後8週間以内に育休を取得すると、もう一度、期間をあけて育休を取得することができます。この2回の育児休暇をボーナス月にあてることができれば、ボーナスと給料にかかる社会保険料が免除になります。
育休中の保険料免除の要件は、「その月の末日が育児休業期間中である場合」です。その為、末日を育休として取得すれば、ボーナスで引かれるはずであった保険料数万~十数万程度免除されます。しかしこの取得方法に関しては、2022年10月より改定が行われます。
その月の末日が育児休業期間中である場合 社会保険料免除。
これは給与・賞与ともに有効です。
令和4年10月以降
2022年10月改定の産後パパ育休制度
①その月の末日が育児休業期間中である場合
② 同一月内で育児休業を取得(開始・終了)し、その日数が14日以上の場合
上記2つどちらかを満たせば、給与に関しては社会保険料は免除となります。これは今までと変わりありません。
しかし賞与に係る保険料については連続して1か月を超える育児休業を取得した場合に限り免除という文言が入りました。
つまり、令和4年10月以降のボーナス支給分は、育児休暇の短期取得において、社会保険料の免除は行われません。
育児休暇を取得してボーナスで得したい方は、2022年夏のボーナスまでが期限となります。冬のボーナスからは短期の育児休暇取得では社会保険料は免除されませんのでご注意ください。

今まではお得だったけど、この育休の取得方法は、政府の意図した方法ではありません。
なので、今後はお得にはならないように、育児介護休業法を改定しましたと言うことですね。
男性が育休を取得した際のメリット
給料・ボーナスの保険料免除
現行の制度で育休を短期でとる方は、保険料免除の為という方も少なくはないと思います。しかし、先ほどもお伝えしましたように、令和4年10月からこちらのメリットはなくなります。
もともと長期で取得しようと考えている方には、今までと変わらず免除されますので、ご安心ください。
家庭に向き合える
学生時代が終わり、社会に出て、子供ができるまで、数年間仕事に打ち込み、突っ走ってきた方も多いと思います。子供ができたことで、更に突っ走らなければと考えている方も多いでしょう。
人生1度きりです。一度足を止めて、家族と向き合ってみませんか?
子供が生まれてから、手元を離れるまで20年前後です。人生100年時代。わずか1/5しか、共に生活できる時間はありません。そのわずかな時間の、スタート地点。家族そろって楽しい時間を作ってみませんか?
給付金がもらえる
取得した期間に応じて、給付金がもらえます。自分の家族と向き合う時間をたっぷりとれた上に、お金までもらえるなんて、とてもありがたい制度ですよね。
限度額はありますが、月の手取りの7~8割程度は給付されます。夫婦ともに育休に入ったとしても、夫婦ともにもらうことができるので、毎月数十万円も給付されるのは、大きなメリットです。
詳しくは【男性が育休取得】実体験|パパが休みになると収入はどうなるの?をご覧ください。
男性が育休を取得した際のデメリット
職場で冷遇される可能性
育休に、協力的な会社・同僚であれば、問題ありません。しかし、現状ではそんな会社ばかりではないのが事実です。育休を取得する際にも嫌味を言われたり、戻ってからも嫌味を言われるかもしれません。場合によっては出世が遅れたりと良いことばかりではありません。
生活が苦しくなる
男性が育児休暇を取得したいと思って、いざ行動に移すと、一番引っかかるのが金銭面ではないでしょうか。育休中でも、実際に生活をしなければなりませんし、何かあった場合のために貯蓄も必要です。
実際問題、損得勘定をした場合、金銭的には損をします。いくら給付金を頂いても、実際に働いたほうが賃金が高いのは事実です。
貯蓄が厳しくなる
子供が生まれて、生活していくにあたり、教育費などをしっかり貯蓄していく必要があります。しかし、育休に入ると、もらえる給付金は手取りの7~8割程度になります。
今までよりも、収入が確実に減りますので、貯蓄自体ができなくなることも考えられます。
私が育休を取得した理由
一生に片手で数えられる程度しかない
一生涯に多くても数回程度しかとることのない育児休暇。ほとんどの方が片手で数えられる程度だと思います。
頭の大きさが、自分の手のひらほどもない新生児と触れ合える期間はほんのわずかです。仕事をしなければ生活が厳しいということも十分に理解できますが、この期間は貯蓄を諦め、思いっきり家族で楽しむことも人生においては有意義だと思います。
長男・長女の時は忙しく、あまり関われなかった
私自身が忙しく、妻が里帰り出産をしたということもあり、出産後、妻が帰宅するまでの2~3か月の間、直接関わる時間があまりとれませんでした。
少し仕事が落ち着いたこともありますが、3人目となると最後の子供の可能性が高いです。人生何があるかはわかりませんが、今後、自分の子供は成長するばかりで、新生児として関わることはありません。人生最後というにはまだ早いですが、子供たちとしっかり向き合う時間が欲しかったのも事実です。
人は人、自分は自分
男性が育休を取得するなんて!という世の中からは少し脱却し始めていますが、私自身あまり周りに合わせるのが好きではありません。嫌味を言われようとも、私の人生は私のものです。誰も責任を取ってはくれませんし、嫌味を言う人は、うらやましいだけだと思っています。
自分の家庭は自分で守る以外に、方法はありません。私が仕事に打ち込み、家庭を顧みず、働き続けても、喜ぶのは会社の人間だけです。
人のために生きる人を尊敬しますが、私は自分の家族の利の為に選択をしていきたいと思っています。
育休を取得してよかったこと
長男・長女の環境変化に対応できた
長男長女の心のケア
次男の育休で、上の子の話をするのはどうかと思うのですが、私の中では一番良かったことです。4月から長男が小学校にあがりました。小学校にあがるにあたり、入学前準備等バタバタすることもありました。その際、私も一緒に長男の小学校入学準備を手伝うことができました。
また、それだけでなく、入学してから1,2か月の慣れるまでの期間も見守ることができました。環境の変化から、イライラする長男。それに合わせて同じ幼稚園から長男がいなくなり、寂しくなった長女。次男も生まれ、下の学年も入ってきて、しっかりしなければいけないという不安から、家ではグズグズになっていました。
まだ小さい子供たちにはとても大きな変化です。その変化をそばで支えることができたのはとてもよかったなと感じました。
子供たちのイベントへの参加
長男・長女の学年が変わるタイミング。イベントもたくさんあります。コロナで出席できないものも多くありましたが、長男の幼稚園での最後の発表会や、卒園式、小学校の準備に、入学式。
長女も発表会や進級などのイベントが重なっていますし、そこに次男の予防接種や検診なども重なります。これら全てのイベントに関わることができたのはとても良かったです。
育休を取得していなければ、すべてに参加することはできませんでした。(有休を取得して、一部は参加していたと思いますが。)
次男の成長を間近でみることができた
生まれてから、少しずつ体を動かせるようになったり、目で動きを追うようになってきました。笑いかけるようになったり、喃語で呼びかけてきたり、しっかりこちらを認識し始めました。
首が座り、寝返りをうてるようになり、背中が座り、しっかりと頭を持ち上げるようになりました。そこから寝返り返りし、離乳食も始まっています。たった半年間で、体も大きくなり、これだけ変わります。
その間、横で成長を見ることができました。上の子たちも同じように見てきたつもりですが、1つ1つしっかりと関われるのはとても良かったと思います。
まとめ
育休をとると、生活費が大変なのは事実です。本当は1年間取得したかったんですけどね。子供たちを育てるだけでなく、教育費も貯めなければなりませんから。しかし半年間と割り切って、思いっきり子供たちと楽しもうと決めて、育休を取得しました。
人生最初で最後の育休生活。とても楽しい経験でした。育休取得を悩んでいる方がいたら、是非取得することをお勧めします。ここまで読んでいただきありがとうございました。